AD-LIVE 2017 10/15(日)夜公演 考察 浅沼晋太郎・蒼井翔太(リピート用ログ)

AD-LIVE2017 10/15(日)夜公演の大きなネタバレを含むので、未見の方はこのまま閉じてくださいませ。

本エントリは、私のように「ライブビューイングも観て、あとりぶも観る」、しかも舞台の仕組みその他もできるだけ考えたい!という、奇特な方のために即興で(アドリブで)書きつけるものです。
当然のことながら、ネタバレしまくります。……が、クリティカルなものは反転伏字にしたいと思います。今年度は情報量が多く、いろいろと拾いきれていませんが、どうかご了承ください。

出演者

Aキャスト:浅沼晋太郎
Bキャスト:蒼井翔太
彩-LIVE :砂川禎一郎、渋木のぼる、猪狩敦子

2人の関係

大親友*1


ではしばし開けて……






どうぞよろしくお願いいたします。

  • 荒れ果て、散らかった室内に踏み込む市役所員、下山田和男(演:浅沼晋太郎)と、河原崎優(演:蒼井翔太)。
    • 室内は薄暗く、人が住んでいるようにはとても見えません。騒音の苦情があり訪ねてきた和男と優は、なんとか住民を探し、コンタクトを取ろうと試みます。
      • ここまでの11公演と打って変わって、荒れ果てた廃墟のような室内。照明は最低限で薄暗く、ベランダも板で封じられ、怪しい雰囲気でした。終演後、浅沼さんが「これは千穐楽でしかできない!」と漏らしていました。
      • 一般的な市役所職員のような和男に対して、優は髪を逆立て、サングラスをかけて首に白いヘッドホンという攻めた姿でした。ファーストインパクトはもちろん、これは「使いで」がある仕立てで、蒼井さんの仕込みを感じることができます。

第1のヒミツ

【ネタバレ】 ふたりは閉じ込められた

  • 薄暗い室内に響く謎の声、突如として音を立てる扉や引き出し、風もないのに落下してくる張り紙。状況を不審に思った和男と優は、室内を調べることをやめ、一度帰ることにしました。
    • しかし、入ってきたドアは開きません。鍵も閉めていないのに一体なぜ? いよいよ危険を感じたふたりはなんとかこじ開け、あるいは別の出口を探しますが、脱出は叶わず。そこへ何度となく響く声は「出して」と訴え続けています……
    • 突然、外が騒がしくなりました。強いノックの音に続いて響いたのは警察の声。「出てきてください!」と言われても、出ることができないのです。和男たちが状況を伝えても「ふざけるんじゃない」と警察は聞き入れません。やがて警察は去ってしまい、部屋には静寂が戻りました。

第2のヒミツ

【ネタバレ】 ふたりが市役所に勤めたのにはそれぞれ理由がある

  • 状況を打開する手も見つからず、仕方なく和男と優は一旦腰を落ち着けます。ふたりは親友同士、週に一度は飲みに行く仲なのです。
    • 優のほうから「なんでカズくんは市役所に入ったの」という話を振られ、和男は少し考えながら「探してるものがある」と打ち明けます。優くんは、と訊き返した和男へ、優は「俺も似たようなとこあるよ」と応じます。優は探したい人がいるのだそうです。
      • ヒミツを受けての蒼井さんの采配と、優に対する和男の態度でパーソナリティを表現する浅沼さんの芝居が楽しめる、じんわりとおいしい一幕です。なお、この時点で蒼井さんは【ネタバレ】一度発見したサッカーボールを使用せず、キープしておられます。ここをカーテンコールで鈴村さんが大絶賛していました。【ネタバレ】「見つけて、『今じゃない』ってことで一回戻したでしょ」と鈴村さんが確認すると、蒼井さんが肯定。この蒼井さんの取り組みと、優の「どうやってカズくんに言い出そうか」と考えている状況がシンクロしているところも見所だと思います。
    • 再び響く声。何度となく声を交わすうちに、少しずつ会話が成立するようになってきました。声の主はサクラを名乗り、出たい、出たいと繰り返します。

第3のヒミツ

【ネタバレ】 ふたりはこの部屋の住人と知り合いである

  • 一考に要領を得ないサクラの説明。やがて声が途切れ……そんな中、優は室内にあった段ボールの中から、サッカーボールを取り出しました。
    • 転がされたサッカーボールを見るや、黙り込む和男に「見覚えがあるんじゃない」と問う優。「もう分かってるんでしょ」と応じた和男。【ネタバレ】ボールには、いや、ラジコンにも壁にも、「かずお」という名前が書いてあったのです
      • 演出部側が用意したヒントから出演者が類推していたものを「ここかな」という見切りで提示している場面かと思います。第3のヒミツがいわば「部屋と自分たちの関係を変えていい」というゴーサインとして機能しているんですよね。特に蒼井さん側がアグレッシブにコントロールしていますが、その結果として浅沼さんのほうはキャラクター的に引いたままでいられるわけで、相互に協力しながら作っているのが浮き彫りになっていると思います。個人的にとても好きな場面です。また、蒼井さん演じる優が踏み込んでいくのは、その抱えるヒミツから【ネタバレ】友情に厚い、友達への想いが強い人物であるというキャラクター造形とリンクしていると思います。
    • 和男は先ほど話したことをもう少し詳細に語り始めました。【ネタバレ】両親が事故死したのち自分は施設で育った。けれど以前住んでいた家を探したかった、と。どうやらこの家がそうなのかもしれないと、2人は納得します。
    • そこに怪しい物音、突如動き出す家具でますます騒々しくなる室内。ついに部屋には人影が現れ始め……!
      • 怪しい人影との追いかけっこのターン。蒼井さん演じる優が「足音がする!!」と看破した通り、もちろん実際は瞬間移動ではなく裏側で走っております。そりゃ足音も聞こえるさ。今回のAD-LIVE 2017では各ドアに番号が振ってあり、モニターで浅沼さん・蒼井さんを確認している鈴村さんが「4番! 4番! あっ、浅沼くんが4番行った! 2番!」などとてんやわんやで指示を出しているのだそうです。
      • また、室内各所の仕掛けも本公演の見所の一つ。もちろん手動で(あるいはラジコンで)、スタッフさんがスタンバイしている状態です。浅沼さんは一度はドア裏にスタンバイするスタッフさんを目視してしまったらしいのですが、それでも突然動けば驚きます、だとか。まさかのホラー系の演出に、終演後には「ホラーが苦手な方もおられたんじゃないですか」と観客席を気遣う一幕もありました。
    • ついに捕まえた人影こそが、声の主のサクラ(演:渋木のぼる)でした。しかしなんとサクラは【ネタバレ】河童そのものの姿! サクラの正体を知り驚く和男と優ですが、サクラは優に近寄っていきます。見覚えがある、優を知っているサクラ。【ネタバレ】サクラはかつて、優と遊んでいたことがあったのです
      • 蒼井さんの持っていたヒミツ、【ネタバレ】友達を探すために市役所職員になった、という内容に直結する部分です。もちろんサクラの正体は伏せられていたので、カーテンコールで鈴村プロデューサーに「まさかこうだとは思わなかったでしょ?」と問われ、「そりゃそうですよ」と全力で頷いておられました。蒼井さんが再会を察して【ネタバレ】髪のセットを見出し、サングラスを外すというアクションがスマートで小気味よいです。こういうことができるように調達していたのかと思います。
      • ここからはサクラと遊ぶターン。サッカーボールを遠くに投げるとあらぬところ(観客席)から戻ってくる、という器用な遊びがありました。
    • サクラと話をするうちに、彼もまた閉じ込められていたことがわかります。ということは、この家にはたらく不思議な力は彼のものではないということ。そこへ再び響く声、「さびしいの」とすすり泣く声に、3人は再び声をかけます。すると、謎の声は和男に語り掛けるようになります。もう一度声を聴かせて、と。【ネタバレ】やはりこの家はかつて和男が暮らした家。声の主は、今はなき彼の母親でした
      • カーテンコールでちょこっと解説されていた、第3のヒミツまわりの仕組みについてメモしておきます。第3のヒミツの文言では【ネタバレ】住人が一人とは限りません。つまり、2人に共通の知り合いではなく、それぞれの住人と個別に知り合い、という状態でオッケーなわけです。ヒミツの文言は、誤解しやすくはあっても、間違いを含んでいてはいけないのですよね。

第4のヒミツ

【ネタバレ】 彼女は姿を現すのをためらっている

  • 声はしても、姿をかたくなに見せない彼女(演:猪狩敦子)に、和男は語り掛けます。
    • 会いたい、顔を見たい、という和男の重ねての訴えにもためらう彼女。会いたい気持ちは同じはずなのに……
      • 「説得」による展開のシーンです。彼女には彼女なりの理由があり、それを浅沼さんは下山田和男として説き伏せることになります。彼女のためらいを言葉で、心で解きほぐすためには、それこそ役として「真実のセリフ」に辿り着いていなければなりません。ほとんどヒントも何もなく素でそこに立つようなこういう場面でこそ、役者としての力量などがよりありありと浮かび上がるように思えます。
    • 姿を現した彼女は、和男との再会を喜び、サクラを長い間引き留めてしまったことを謝罪します。流れるあたたかい空気。しかし、そこへ突然、騒音とドアを叩く音が鳴り響きました。一度は去ったはずの警察が戻ってきたのです。

最後のヒミツ

【ネタバレ】 河童の存在が人間にバレるとまずい

  • サクラが人目に触れてはまずいことになります。和男と優は大慌てでサクラを隠し、突入してきた警察官(演:砂川禎一郎)を追い返そうとします。
    • 和男と優を住人だと思い込み、迷惑なんですよと迫ってくる警官から、必死にサクラを庇う2人ですが、ぐいぐいとやってくる警官の前に、ついにサクラが自ら飛び出してしまいます。サクラに驚いた警察官は【ネタバレ】瞬間的に発砲。銃声が鳴り響き、サクラが倒れてしまいます。動転した警察官は部屋から逃げ出してしまい……
      • ハートフルなムードからのコメディ、コメディからの急転直下と、息もつかせぬ展開でした。カーテンコールで鈴村プロデューサーが自分が書いた脚本であることとともに、「全部の感情を使ったでしょ」とコメントしていました。なお、警官役だった砂川さんはカーテンコールで「完全に悪者でしたね、乗り込んできて(中略)すぐ帰る」とコメント。ある意味では辛い役どころですが、すばらしい仕事ぶりでした!
    • サクラに寄り添い、涙する優。しかし、まだサクラを助ける方法があると彼女が言います。和男にとってはお別れでもあるけれど…… 和男と優は彼女とあらためて想いをかわし、サクラを救います。
    • 彼女と別れたのち、やはりサクラともお別れの時がやってきます。それでも、きっと優はまたサクラと会うことができるでしょう。人目をかわし、出ていこうとするサクラが、優を振り返って、ひとつお願いがあると言います。それを受け入れた優は……

結末の行動

【ネタバレ】 相撲を取る*2


 だいたいこんなところでしょうか。ほかのエピソードとしては……
 カーテンコールで浅沼さん、蒼井さんともどもに「飲み物ください!」と即要求。今回の舞台設定の都合上、補給物資がまったくなかったために休憩が取れなかったのですね。それを聞いた鈴村プロデューサーは驚きの表情。「気づいてなかった!?」という浅沼さんに対し、鈴村さんは【ネタバレ】「気づいてなかった! 今取ってくるからちょっと2人で喋ってて」とまさかの途中退場をしてしまいました。2人が場をつないでいる間に水やビールを持って戻ってきたのですが、その後も「俺のぶんがなかった!」と気づき、乾杯前には「ちょっと待ってよ、俺も混ざりたいよ」と自分のぶんのビールを持って戻ってくる場面がありました。舞台上でビールで乾杯する3人が観られて、楽しかったです。
 なお、補給物資ではないですが、泥水は用意してあったそうです。この場合、「泥水っぽい何か」ではなく、「泥水」そのものを用意していたと思います。なんでも本物を用意するからなあ、あの方たち……
 そして、鈴村プロデューサーからは、お時間を借りて……という前置きとともに、AD-LIVE Projectスタッフの皆様への感謝の言葉もありました。


 あー。今回もたっぷり書きました。今日のあとりぶを楽しみにしていたので、今からわくわくが止まりません。


 最後にちょこっとだけ……
 12公演の感想を完走してみた感想としては、「役者さんすごい」「彩-LIVEさんすごい」「演出部すごい、というか裏方スタッフさんみんなすごい」に尽きます。あとライブビューイング用に撮影してるカメラマン、カメラ切り替えを行っているスイッチャーさんもすごい。
 AD-LIVEが「よってたかって」作られていることがよくわかります。

 何人かの役者さんが「舞台上のヒント」の存在に触れていたように、結果的に現れなかったけれど用意されているものもたくさんあるでしょうし、逆に、その用意はしてなかったけれども、今行こう!と急遽、できるだけのことをして投げ込んだものもあるのでしょう。

 90分間という時間に投げ込まれ続けるコストの圧・密度たるや、もう……凄くて。

 そして、膨大に使用された、使用されなかった「アドリブワード」を投稿した人たちも、観客席で歓声をあげ、笑い声をあげ、心を揺らして視線を送る人々さえも、その「よってたかって」の一員なんだろうなとも思います。

 本当に楽しかった。
 観客席にいた方にも感謝を伝えたいぐらい、AD-LIVEが楽しくってなりません。
 いろんなみなさん、ありがとうございました。

 あー、パッケージ発売が今から待ち遠しいです。
 ……ところで、今回もアドリブクエスチョンの募集はあるんでしょうか。

*1:ヒミツ動画時点では「親友」。初演以来のマイナーチェンジパターンです。

*2:ヒミツ動画で蒼井さんが「得意です。イメージないでしょうけど」とコメントしていたことから。