AD-LIVE 2017 9/17(日) 昼公演 考察 森久保祥太郎・豊永利行(リピート用ログ)

AD-LIVE2017 9/17(日) 昼公演の大きなネタバレを含むので、未見の方はこのまま閉じてくださいませ。

本エントリは、私のように「ライブビューイングも観て、あとりぶも観る」、しかも舞台の仕組みその他もできるだけ考えたい!という、奇特な方のために即興で(アドリブで)書きつけるものです。
当然のことながら、ネタバレしまくります。……が、クリティカルなものは反転伏字にしたいと思います。今年度は情報量が多く、いろいろと拾いきれていませんが、どうかご了承くださいませ。

出演者

Aキャスト:森久保祥太郎
Bキャスト:豊永利行
彩-LIVE :辻本耕志、渋木のぼる、小山めぐみ、廣瀬詩映莉、向山智成、矢部遼平*1 【ネタバレ】浅沼晋太郎*2

2人の関係

受験者同士


ではしばし開けて……










どうぞよろしくお願いいたします。

  • 登場人物紹介時、表示された名前はピカソ*3(演:森久保祥太郎)とゴッホ*4(演:豊永利行)。まさか本名なのでしょうか? ピカソは上から下まで奇天烈な格好、対照的にゴッホリクルートスーツ。
    • 明転すると、そこはちょっとした休憩室の様相。ここは、エンターテインメント施設・ベルヴィレッジ*5の採用試験の会場なのです。ピカソゴッホのほか、ピカソに似て奇抜な格好のフェルメール*6(演:小山めぐみ)、ゴッホ同様にスーツのダヴィンチ*7(演:辻本耕志)、カジュアルな服を着たシャガール*8(演:渋木のぼる)とムンク*9(演:向山智成)が室内で試験開始を待っていました。
    • ピカソは似たにおいがするフェルメールに話しかけ、「今回が5度目の受験なんですよ」と言います。「父が勤めていた会社にどうしても入りたくて受験してるんですが、いつも個性がない、個性がないって言われて、もうこんなんになっちゃいました」と自虐的に語るピカソ。ついでに周囲の人間に受験歴を聞きはじめますが、フェルメールが3回目と答えたほかは、みな受験は初めてだそう。シャガールが借金があるから金のために受験したんだよ、と吐き捨て、ゴッホも「シャガールさんと似たようなものです」と言います。
      • カーテンコールで森久保さんからのコメントがあった場面です。森久保さんにとってはここで語ったことが自分で持ってきたほぼすべてであり、ここで出し尽くしているそうです。また、奇抜な格好はAD-LIVEにおいてはいわば防御のようなもので、どう来るか分からないシナリオに対して、自前の要素を多く持ち込むことでキャラ立ちの補填をしているそうです。歴戦のAD-LIVE巧者のテクニック、さすがです。
    • そこへ響く女性の声。それは試験のナビゲーターを務めるモネ*10(演:廣瀬詩映莉)のものでした。モネの誘導に従って壁の奥にかけられた赤い布を外すと、そこには6名の名前と、横には空欄だらけのパネルスタンド。何か所かには既に漢字の書かれたパネルが差し込まれていました。モネは「これから皆さんにはゲームをしてもらい、お互いの本名を暴いてもらいます」と告げます。以降、本名が他の受験者全員に知られた人は脱落とする、と。彼ら受験者はゲームに挑戦、もしも失敗すればパネルが排出される。そのパネルは受験者の本名の一部なので、それをスタンドに差し込み、本名が正しく並べられてしまえば脱落となる、と。
    • 困惑する受験者一同ですが、モネはさっさと試験を開始してしまいます。「それではまず……浦和信吾さん?」という声に応えて、ムンクが「はい!」と挙手。瞬間、会場の照明がすべて消え――再び明るさが戻ってきた時には、既にムンクの姿は消えていました。「ざんねーん、本名が全員に知られちゃいましたね?」と陽気に語るモネ。部屋に置かれたクローゼットの扉が開き、そこには「浦」「和」「吾」のパネルが……

第1のヒミツ

【ネタバレ】 これから、生き残りをかけたテストが始まる*11

  • 状態がよく分からないままに、受験者たちは最初のゲームにトライ。第一ゲームはけん玉でした。
    • ひどく緊張しながらも、なんとか成功させるゴッホ。次に指名されたピカソは……残念ながら失敗……パネルが排出されますが、ヒントも少ない今は誰の名前も完成しませんでした。

第2のヒミツ

【ネタバレ】 この中に、わざと失敗しようとしている人がいる…?

  • モネの進行に従い、一同は次のゲームへと進みます。
    • 次のゲームは、ある質問への答えを全員で一致させろ、というもの。その質問とは……「人生で一度は言ってみたいセリフ」。ピカソは「こんなの揃うわけないじゃないか」と言いますが、モネは取り合いません。フェルメールが自信満々「私に合わせてください!」と言いますが、結果は当然のように失敗。排出されたパネルが多く……そして挙動不審になるフェルメールフェルメールの反応から本名を推測した一同は、彼女の名前を完成させてしまいます。本名が暴かれたフェルメールはなくなく脱落していきました。
  • 残された一同が先ほどの答えを互いに開陳しているところに、ついにモネが直接やってきます。
    • 「先ほどは音声のみで失礼しました」と言うモネは、「ここからは、協力ではなく、直接争い合っていただきます」と告げます。皆さん同士で勝負をしてもらい、もし負けたら、その方のお名前のパネルが多く排出される、と。潰し合いの状況に突入した受験者たちは、モネの指示通り、次のゲーム、手押し相撲に挑みます。組み合わせもモネに指示され、ピカソダヴィンチ、ゴッホシャガールの対決となった手押し相撲。第一試合はピカソが勝ち、第二試合はゴッホ勝利を収めました。ゲームの終了とともに、クローゼットから排出される4枚のパネル。ですが、シャガールが突如飛び出し、そのパネルを抱え込んでしまいます。自分の名前が完成してしまうことを悟ったシャガールは、ピカソに交渉を持ち掛けます。「俺はあんたの父親の仕事をよく知ってる、俺のパネル2枚と、お前のパネル2枚を交換してくれたら教えてやる」と。この異様な取引をモネも認めました。ピカソは取引の申し出に応じ、それを知ったモネはシャガールが差し出したパネル2枚を回収。その代わりに2枚のパネルを排出させました。

第3のヒミツ

【ネタバレ】 脱落したら、ただでは帰れない

  • モネは受験者たちの態度に真剣さが足りない、と文句をつけ、「脱落したらどうなるか、見せて差し上げます」と言い始めます。
    • モネの声とともに開かれた部屋、そこには【ネタバレ】壁にべたりと張り付いた血痕と、額の中心を血に染め、壁にもたれて座るムンク、その足元に横たわるフェルメールが……
      • 分かる人だけ分かっていただきたいのですが、このエントリでは私もフェアに書きたいと思います。
    • 一瞬だけ見えた彼らの姿に色を失った受験者たち。中でもシャガールの取り乱しようは尋常でなく、彼はピカソの父について語る前に部屋から逃走を図ります。しかし、行く手を阻むように現れた黒ずくめの男にスタンガンを当てられ気絶。シャガールは別室に放り込まれてしまいます。驚く一同のもとへ再びパネルが。脱落したってことか、と問う一同に、モネは「パネルが出たってことはそういうことなんじゃないですか?」と冷酷な態度です。改めてパネルを配置し、ピカソゴッホダヴィンチの名前は完成しないまま、彼らは次のゲームへと進みます。
  • 次のゲームは、ウソつきを暴くゲーム。3人がそれぞれにテーマに沿って語り、その中に含まれたウソつきが誰かを当てろ、というゲームでした。ウソをつく人物はカードで決める、と言うモネ。モネはカードを慎重に伏せ、3人に配り終えます。

第4のヒミツ

【ネタバレ】 ウソのカードを持っているのはピカソ*12

  • なぜベルヴィレッジに就職したいのか、と問われ、要は金のためだと言い切るピカソ。続いてゴッホは、自らを「信じやすい人」と語ります。そのせいで、親友の連帯保証人になり、とにかく今は金が必要なのだと。
    • 続いて順番が来るはずのダヴィンチは、突如「俺は譲る」と言い始めます。「自分から脱落するってことですか? ただではすまないんですよ?」と口を尖らせるモネ。しかしダヴィンチはゴッホを振り返り、【ネタバレ】激しい整形、身長を-20cmしたせいですっかり分からないと思うが、俺がお前を騙した親友だ、と衝撃の告白*13をします。
    • うろたえるゴッホに、「お前は残れ」と言ったダヴィンチは、モネに自ら本名を告げます。現れた黒ずくめたちに引きずられていくダヴィンチは、「戸棚を開けろ」と言い残し、退室していきました。そして排出されるパネル。ついに、ピカソゴッホだけが残ったのです。
  • 休憩にしてあげます、と去ってしまうモネ。その隙をついて戸棚を調べたピカソゴッホは、1通の封筒を見つけます。その中には「モネの本名を暴け」という指示と彼女の名前の一部、さらになぞなぞのような文言が。
    • 一つの謎を解いた先には、またしてもなぞかけ。【ネタバレ】「1なのに13、6なのに30 / 12なのに0か24 この裏を調べろ」という指示に従った先で、またしても封筒を発見。その中には、拳銃とまたしても謎の文言【ネタバレ】「この銃で天を撃ちぬき、暗闇を生み出せ」がありました。なんとかナゾを解いた2人が行動を起こすと……照明がしばらく明滅したのち、パネルが何枚も排出されました。
      • 完全にナゾ解きモード。個人的に、リアル脱出ゲームを思い出します。なお、最初のなぞなぞについてはピカソが分かっているかどうかかなり怪しいそぶりを長く見せていますが、カーテンコールでの森久保さんいわく、実際はちゃんと分かっていて、わざと引き延ばしているとのこと。「とっしーと2人の時間が全然なかったから、ここの尺をたっぷり使いたかった」と言う森久保さんに対し、豊永さんも「僕、途中から楽しくなってきちゃって、ちょっとキャラ忘れました、一回『森久保さん』って呼びそうになりましたから」と全面同意。鈴村プロデューサーは「こっちとしては『早く行けよ!』でしたけどね」と苦笑いでした。
      • 登場人物の本名の苗字は埼玉の地名から取られていました。序盤に察していた方もいると思いますね。
    • 情報をそろえたピカソゴッホのところへ、モネが再登場。本名を暴かれかけたモネは、混乱し、自ら本名を晒してしまいます。その瞬間、銃声が鳴り……

最後のヒミツ

【ネタバレ】 もちろんこれだけでは試験は終わらない

  • ただ2人だけ残されたピカソゴッホへ、どこからか声が語り掛けてきます。
    • ゴーギャン*14を名乗る声は、ベルヴィレッジの真実を語り、黒ずくめの監視のもと、2人へ最後のゲームを迫ります。不可避の決着。敗者へ突きつけられる銃。暗闇の中で鳴り響く銃声――
  • 以降はすべてネタバレ扱いといたしまして、全面的に伏せたいと思います!

結末の行動

【ネタバレ】 本名を訊かれたら「言えません」と答える


 いやあ、書きも書いたり、たっぷりしましたね。演出の川尻さん曰く、「スタッフの間ではある意味最高難易度と名高い設定」とも言われるシナリオだったそうで、私にとってもとても印象深い公演です。あとりぶが楽しみでなりません。

*1:クレジットでは「舞台進行」になっている方。通常は小道具の担当だそうです。

*2:まさかの出演者の時点でのネタバレ。仮面をつけての登場で、豊永さんは「道理で『ドン!』が強いと思った!」と述懐しておりました。鈴村さんの「我々も最大人数、総力戦でお届けしました」というコメントも印象深いです。

*3:パブロ・ピカソ キュビズムの始祖として知られる。代表作「ゲルニカ」他多数。

*4:フィンセント・ファン・ゴッホ ポスト印象派に属する。代表作「ひまわり」他多数。当時から色の特性について理解しており、補色を用いた表現を取り込むなどの作例がある。

*5:「鈴村」をばらして英語にしたもの。ここに限らず、ベルコーラ、ベルビタンDなど、「ベル」は各所に登場します。

*6:ヨハネス・フェルメール 光に関する表現に優れる。代表作「真珠の耳飾りの少女」他。ある人物によって多数の贋作が制作された画家としても著名。

*7:レオナルド・ダ・ヴィンチ 画家としてのみならず、多くの分野で功績を残した天才。画家としての代表作に「受胎告知」他がある。

*8:マルク・シャガール キュビズムの画家。妻であるベラをモチーフにした絵画を多く残し、愛の画家とも言われる。代表作「私と村」他。

*9:エドヴァルド・ムンク 印象派。代表作「叫び」はあまりにも有名。

*10:クロード・モネ 印象派を代表するフランスの画家。代表作「印象・日の出」他多数。

*11:表示された「第1のヒミツ」の文字のどす黒い赤と言ったら、最高でした。【ネタバレ】「生き残り」という不穏なワードも手伝い、ホラーな展開を予感させます。このためにこの17日のカラーを赤にしていたのだとしたら……それはそれは長いスパンでの仕込みとなります。各日のカラーは6月の出演者発表会の時点では既に決定していましたから、この時点で「森久保・豊永ペアにはコレを振る!」ぐらいは決めていたことになります。……ありうる。

*12:ここまでの公演の中でも特徴的な出し方をする「ヒミツ」でした。ここで暗転を挟んでいることが、森久保さんにとってはシンキングタイムになっていると思います。

*13:これもまた、実はとても特殊な進行をしています。AD-LIVEにおいては「発言した瞬間、以前から貫かれていた真実ということに『後から』なる」という挙動があります。辻本さん、ひいては脚本家は、意図的にこの挙動の脆弱性を突いており、「言いきったからには正しい」という作りを整えています。

*14:ポール・ゴーギャン フランスのポスト印象派の画家。代表作に「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」等。