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【作品ネタバレなし】4DX・MX4D両方で『シン・ゴジラ』を観たのでレビュー

話題の『シン・ゴジラ』を4DX・MX4Dの両方で鑑賞したので、今から『シン・ゴジラ』を観たい、でもどれで観よう、と考えている方向けに、ほぼ作品のネタバレなしでレビューをする。
性質上、「どんな演出効果が使用されたか」には触れざるを得ないので、そこだけはごめんなさい。話の流れにはふれないようにしますので。

忙しい人向けの三行まとめはこのとおり。

  • 個人的には4DXをおすすめ(特にメガネ着用の人は4DXを推奨)
  • 映像をくまなくもれなく舐めつくしたいなら、IMAXがよろしいと思われる
  • 酔いの心配はあんまりない(補足あり)

また、これはあくまで『シン・ゴジラ』の鑑賞に限った話なので、別の映画であれば違う判断になるだろうことも合わせてご了承ください。

では、以下からそれぞれについて雑感。なお、私はメガネ着用・酔いについては強くもなく弱くもなく、というところ。

演出もりもりの4DX、アトラクションとして楽しみたい人向け

4DXは、ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞。上映前の予告編や、解説ムービーで4DXってどんなものかを体験させてもらえる。体験させてくれたのは『キング・オブ・エジプト』だった。

コロナワールドの解説によると、4DXが使う演出効果は、モーション・風・ミスト・香り・バブル・煙り・エアー・フラッシュ・雨・雪・嵐。

このうち、『シン・ゴジラ』鑑賞において特徴的だと感じたのは、風、エアー、煙り、雨の4つ*1

風とエアーにどういう違いがあるかと言うと、前者はふわりとした感触の表現に、後者は左右の区別をつけた風圧を体感するものとして使い分けられていた。特に、エアーによってもたらされる、顔の右、左それぞれに強い風が吹き抜ける感覚は、4DXオンリーのものと言える。ただし、体感的な演出としてはかなり強い感触があるので、それを臨場感があるものとして捉えられるか、驚いてしまってかえって集中できないと感じるかは人によって分かれそうだ。

また、煙りについては、白煙・黒煙の使い分けがあり、なかなかインパクトのある演出になっていた。とはいえ難点もあって、煙りなので完璧なコントロールはありえず、スクリーンにもばっちりかかってしまうのが気になるところ。なので、隅々まで映像を目に焼き付けたい、という要望とは相反するのは間違いなく、そうでなくても気が散る、という意見もあると思われる。割り切れれば面白みはあるはず(私は好き)。

また、これも4DXのみの演出である雨は、とても小さい粒が数粒、ぱらぱらっと身体に感じる程度だったので、服が濡れる心配をする必要はない。むしろ、半袖の人が多い今の季節のほうが向いている演出効果かと。分厚い服を着てると感じにくいかもしれないぐらい。

全体としては、演出もよく使い分けられていて、アトラクション感がしっかり体験できて楽しかった。が、気が散りやすい人にとっては演出過剰と感じられるかもしれず、そのあたりは個々人の集中力というか、没入しやすさにも影響されるかと。また、当然ながら座席が動くので、テロップ読み取りとの相性は良くはない。「じっくり眺めたい/アトラクション体験をしたい」は両立しないのでそのつもりで。

振動系の細かさが売りのMX4D、得意なところははっきりしている

MX4Dは、TOHOシネマズ 新宿にて鑑賞。こちらも本編上映前に体験させてくれた。題材は同じ『キング・オブ・エジプト』。図らずもこちらの予告でも比較ができ、私としてはありがたい限り。

同じくTOHOシネマズの解説によると、MX4Dの演出効果には、振動系として、ネックティクラー(首)、バックポーカー(背後)、レッグティクラー(足元)、ランブラー(地響き)、シートポッパー(突き上げ)があり、その他演出として、ウインド、エアーブラスト(噴射)、ウォーターブラスト、フォグ(霧)、ストロボがある。

この一覧にも表れているように、MX4Dのポイントは振動系演出の部位の細かさで、『シン・ゴジラ』でもそれは明らかだった。バックポーカーでは背中をドンと押されるような振動が、レッグティクラーでは、足元に小石が跳ねてそれがふくらはぎをかすめる時のような振動が与えられ、まさに全身で体感することが可能。……だが、個人的にはレッグティクラーはややくすぐったくも感じたので、もしかすると、ハーフパンツ着用などだと、けっこうぞわりと来るかもしれない。

実際に『シン・ゴジラ』においても、振動の演出は巧みに使い分けられており、これだけ使い分けてくれるのか!とわくわくできた場面がいくつもあった。特に戦闘シーンで、兵器が切り替わるたびに振動の質がぐいぐいと変わっていく感覚があり、これはMX4Dならではのものかと。また、バックポーカーがひときわ強い効果を上げている場面があり、まさにその場にいる感覚を味わわせてくれた。

一方、水と風系の効果の主軸となっていたウォーターブラストとエアーブラストはけっこう強烈で、「ブシューッ!」と急に吹き付けられると反射的に目を閉じてしまう。そのせいで一瞬画面から目をそらしてしまう結果に。また、なんといってもメガネが濡れる。それも、けっこうそれなりに濡れるので、私は時々ハンカチで拭った。劇場内でもメガネを拭う人の姿はそこそこ見られたので、メガネ必須の人にとっては、ややつらいのではと思う。

4DXと比較すると、演出がついている場面・ついていない場面の区別がはっきりしており、かなり自然な効果がついているおかげもあって、演出効果が良い意味で目立たない。そのぶんアトラクション感は薄めで、代わりに没入はしやすいのでは。

補足:酔いやすい人向けに

4DX、MX4Dとも、私は酔わなかった。また、どちらにも同行してくれた友人(車ではあまり酔わない、酔いにはやや強い)も、酔わなかった、と言っていた。なので、酔いの強さはごく普通程度、というなら心配する必要はないと思う。

もしも酔いやすい自覚があるなら、横4つ組になっている座席の真ん中の2席を選ぶことで、多少は揺れが軽減できる可能性があるかもしれない(船では端より中心のほうが揺れが少ない理屈)。

まとめとその他

以上、雑感でした。どちらにも長所があり、それぞれ楽しめるものの、私自身がメガネ着用ということもあり、「『シン・ゴジラ』については4DXやや優勢」がこの記事としての結論です。ただし、MX4Dについても、別の作品であれば迷わずMX4Dを選ぶだろうと思わせるだけの魅力があり、興味がある人にはどちらも体験していただきたいですね!

そして、繰り返しになりますが、どちらもアトラクションとしての動きがあるので、テロップの読み取り等には向かない。じっくり眺めたいならやはり別のスタイルで観るべきでしょう。私も後日IMAXでもう一回観るよ!


また、ネタバレありの4DX・MX4Dの比較記事もありましたので、ご紹介を。
d.hatena.ne.jp

というわけでした。お読みいただきありがとうございました。

*1:もちろん他の演出効果も使われています。